日本vsウルグアイ

(この記事は2018/10/25にnoteで書いた記事です)

更新遅いんじゃ、新鮮味ないぞ、ダンカンこの野郎。とお叱りを受けそうですが、書くことこそが大事だという強い気持ちで書きました。

3試合目にして、格上と言っても過言でない相手との試合。

格上相手にしたとき新たな引き出しがあるのか、それともこれまでのベースをぶつけるのか。

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スタメンはご覧の通り。

前線4人の流動的な動きのメリット・デメリット

この試合で注目度が高く、結果も残した前線の大迫、南野、中島、堂安。

スタートポジションとしては、大迫がトップにいて、その後ろに3枚が並ぶ形だが、それは固定ではない。

中島と堂安が同サイドにいる。

大迫が下がって、トップに南野。

大迫がサイドに流れて、中島が中央。

中島がトップ下、前線に左から大迫、南野、堂安。

これらの動画を観てもわかるように、選手のポジションはかなり流動的。

では、ポジションが流動的なことで考えられるメリットとはなんなのだろう?

メリット

①相手に守備の基準を定めさせない

(これしか考えつかなかった(;´・ω・))

でも、これは守備側からしたら結構嫌なところである。

当たり前だが選手の特徴はそれぞれ違う。

選手に応じて対応の仕方は変わってくる。

大迫の対応に慣れてきたと思ったら、南野がいたり、中島の対応に慣れてきたと思ったら堂安がいたり。

また、常に同じ場所にいないため守備側の柔軟な対応力が求められる。

この流動性がチームとして意図している(コントロールしている)ことなのかは正直謎なところであったりする。

この4人だから成り立っていることなのか、メンバーが変わっても成り立つものなのか。

この部分については、もう少し様子を見てみる必要がある。

流動的なことはメリットもあるが、デメリットもある。

デメリット

①変化するポジションに応じて求められる役割を変化させないといけない

デメリットと言うのはちょっと違うかもしれないけど、それぞれがやらないといけない(できないといけない)ことが増えて、負担が大きくなる。

例えば、前線の4人はチームとしての約束事としてポジションチェンジは基本的にあまりしないこととなっていれば、各ポジションに求められることをわかりやすい。

ただ、流動的に変化しているとその都度にやることを変えないといけない。

これは3失点目のシーンなのだが、最後にシュートしたロドリゲスに対して戻ってプレスにいっているのは大迫である。

ボールを奪われる前に宏樹が高い位置まで上がっているため、サイドにいた大迫が自陣ゴールまで戻ってきたわけである。

SBが高い位置をとることでウィークポイントとなるエリアを突かれた失点でもあるのだが、大迫の戻り方を見ていると、ロドリゲスがフリーであることにそこまで危機感を感じているとは思えない(時間を考えると体力的な部分もあるかと思うが)。

このシーンに対して、大迫が悪いと言うのはちょっと酷かなと思う。

自陣ゴールエリアまで、本来なら戻る必要のない選手であるし、そうやってここまで成長してきた選手である。

ここは全速力で戻らないといけないということを判断するには、やはり経験が必要となってくる。

主にFWとして育ってきた選手にその部分を求めるのはちょっと違うかなと個人的には思う。

ただ、もし今後も流動的なポジションチェンジをするとなれば、求めていかないといけないことでもある。

しかし、クラブで同じようなことをやっているのならまだしも、クラブではある程度固定された状態でプレーしていて、代表になったら突然切り替えることができるのかといったら難しいのではと思う。

攻撃と守備のバランス

4得点を奪った攻撃陣に対しての評価は高い。

ただ、先ほど書いたような前線の強い流動性による脆さがあるのも否めない。

どんな対戦相手であろうと勝ち越せるのならいいが、日本より力のあるチームには全てにおいて日本を上回っているところもある。

中島と堂安はお世辞にも守備能力に秀でているとは言えない。

ここで言う守備能力とは、ボールを奪取する能力、守備時に適切なポジショニングがとれる、危機察知ができる(先ほど書いた大迫のようなシーンでいち早く戻れるか)などの総合的な能力のことである。

走って追いかけるだけでは守備とは言えない。

中島と堂安の攻撃力は確かに魅力的だ。

ただ、この2人同時起用するとなると後ろの選手への守備の負担は大きくなる。

後ろの選手だけでも防げる相手なら全く問題ないが、そうでないときはリスクが生まれる。

残念ながら、日本は守備的MFとDFとGKだけで強固になれるほどの個人能力や組織力は備わっているとは言えない。

そういう面を考えると原口と伊東純也の方がバランスはいいように思える。

当然、中島と堂安の守備能力が向上したり、守備的な選手にスーパーな選手が誕生する可能性も0ではない。

ただ、攻撃能力に秀でた選手が守備面で大きく向上するのは、クラブで矯正ギブス(向上しないと試合に出れない)くらいの環境にいないと難しい(原口のように)。

この辺のバランスを森保さんがどう整備していくのか、アジアカップでは注目したいところでもある。

雑感

3試合を観てきたが、選手たちは非常に伸び伸びやっている印象がある。

中島や堂安の個人で打開できる能力は間違いなくプラスになっていくだろう。

一方、守備の部分に関してはまだまだ不安な部分も多い。

攻撃陣をできるだけ攻撃に専念させたいところだが、日本の現状の総合力や現代サッカーの戦い方を考えると難しいところだ。

今回は前線の選手について触れたが、SBやGKの人材問題もある。

川島しか常に海外スタンダードで戦っている選手がいないこと、SBにおいて宏樹と長友以外の選手との能力や経験の差も非常に気掛かりな点だ。

今のところは結果も出ていて、見た目上でもわかりやすくアグレッシブであったりするので、非常に好意的に受け止められている印象の森保ジャパン。

しかし、どこがザックジャパンの匂いも感じなくはない。

ザックジャパンは、自滅するかのように沈没してしまったが、森保ジャパンはどういう道を進んでいくのか。

それでは。