アルベル監督のインタビュー(自分用まとめ2)

アルベル監督 国頭キャンプ終了後インタビュー
Q、国頭キャンプの全日程が終了しました。手応えはいかがでしょうか。 A、新しい戦術コンセプトを吸収したいという選手たちの意欲が感じられたので満足しています。やはり何かを変えるときは、その変化、改革を信じなければなりません。実際に選手たちから信じようとする意識が伝わってきたので、そういう意味でも最初の10日間は有意義だったと思います。ここまではフィジカルコンディションを上げるためのトレーニングを重ねていますが、予定通り進んでいます。もちろん、選手たちの疲労は溜まっていますが、計算通りなので心配していません。疲労が溜まればトップスピードが出せない状態になりますが、それも想定内です。 初日から何度もコメントしている通り、新しいものを構築するのは簡単な道のりではありません。それを認識したうえで1日1日積み重ねているところです。数年後により偉大なクラブに成長するためには今、苦しみながら、新しい時代を構築するためのベースを作らなければならないのです。今日(1月26日)の実戦形式のトレーニングでも苦しんだ時間帯がありました。今後も苦しむ時期があると思います。ただ、何か大きいものを成し遂げるためには必要なことだと思っています。
Q、22日の実戦形式のトレーニングでは選手たちに「ボールを保持すること」「正しいポジションを取ること」「失ったらすぐに奪い返しにいくこと」の3つを強調されていました。これらの成果と課題について聞かせてください。 A、この3つについて選手たちが意識してプレーしてくれたのは感じました。ただ、今日の実戦形式のトレーニングでは多くのボールを失ったのも事実です。期待どおりにボールを保持する時間が長ければ、ボールを奪われても素早く切り替えて奪い返すことができるのですが、今日のようにボールを失う回数が多いと、選手たちも疲れます。疲れている状態では素早い切り替えも難しくなります。道のりは長いですが、チームがこの数日間で確実に成長していることも確かです。
Q、ボールを失うことが多かった要因は、疲労でしょうか。それとも技術の問題なのか、立ち位置の問題なのでしょうか。 A、技術的な問題ではありませんでした。立ち位置の問題というより、一人ひとりがボールを持ちすぎてしまい、それによって相手にハメられてしまったのだと思います。一人ひとりのタッチ数が増えてテンポが遅くなると、相手は守備でハメやすくなりますセンターバックを中心としたディフェンスラインにおけるパス回しのテンポが今日は遅かったですね。プレーテンポを速くするにはポジショナルゲームのトレーニングをやり続けることが必要となります。 今日は、一人ひとりが適切な立ち位置に入るのが遅れたり、うまくコーディネートできないままボールを奪いに行って打開されてしまった場面がありましたが、プレシーズンが始まってまだ10日なので仕方がありません。ただ、完成度を高めるために待ち続けるというわけではなく、シーズンに入れば勝ち点を重ねていかなければなりません毎試合勝利を掴み取ることにエネルギーを注ぐことと並行して、チーム全体でこのプレースタイルの完成度を高めていきたいと思っています。
練習試合後インタビュー 1/29
Q、今日は、今シーズン初めてのJ1クラブとのトレーニングマッチでした。率直な手ごたえや感想を聞かせてください。 A、プレシーズンにおける試合結果やゴール数は重要ではありません。重要なのは試合内容だと思います。そこで何を感じたか。私も選手も同じことを感じたと思いますが、ボールを支配すれば、しっかりと自分たちで試合の主導権を握れるという部分はあったと思います。その分、改善すべき点があったのも事実です。1本目の最初の15分は焦って前に行き過ぎるプレーが増えてしまい、試合をコントロールできていませんでした。それ以降、チームが少しずつ落ち着きを取り戻しながらボールを支配するようになってからは、相手選手との一人ひとりのレベルの差を表現することができました。それが今日の収穫だと思います。ただ、多くのミスがあったことも事実なので、改善、修正をしていかなければいけません。時間をかけて、日々努力を重ねていくしかありません。選手を納得させることが重要になってきます。選手たちがしっかりと信じてくれれば、あとは日々努力を重ねることは難しくありません。
Q、26日の練習試合に比べると、ハイプレスの勢いも迫力があって、高い位置でボールを奪う機会もあったと思います。その手ごたえはいかがですか。 A、この前の試合も、結果は重要ではありませんでした。ただし、この前もボールを失うことが多く、相手がボールをつなぐのが得意なチームでしたので、主導権を握られる時間がありました。やはり、選手たちを納得させて、信じてもらわなければいけません。それとともに、日々の努力を重ねて修正点を改善していく積み重ねが重要です。ミスを減らさなければいけません。そのミスが失点につながらずに試合に勝つということもあるでしょう。一方で、一つ二つのミスから失点してしまい、試合に負けてしまうこともあります。ですから、ミスを減らしていくことが重要になってきます。今まで何度も言ってきているとおり、私たちは最初の数か月で苦しむことは間違いないと思います。しかし質の高い選手が揃っています。そういう意味では、忍耐強く努力を続けていければ、間違いなく良い方向に進んでいくと思います。
Q、やりたいことを実現するには時間がかかる中で、今日のように前線の選手がチャンスを決めてくれると、その時間も稼げると思います。 A、まさしく前線の決定力が高い選手が、我々に落ち着きと自信を与えてくれることを期待しています。ただ、クラブを変えようとする意識がなければ、同じ道のりを歩む繰り返しになってしまいます。今シーズンは難しいシーズンになると思います。それをファン・サポーターのみなさんも理解しつつ、ともに苦しみ、ともに今後訪れる成功のために耐え続けてくれたら、大きな改革は成し遂げられるのだと思います。クラブとしてもリスクをおかさないといけません。クラブのより明るい将来のために、今が苦しむ時期だと認識して耐えるのが今シーズンだと思います。クラブが安定して成功を収めるためには、チームとしてのベースを長い時間をかけて構築していかなければいけません。そうしないと、そのシーズンの選手の質や外国籍選手のレベルに左右される形で試合結果が決まってしまいます。当然、シーズンの頭に多くの批判が降ってくると予想しています。でも私は、日本語が分からないので大丈夫です(笑)
練習試合後インタビュー 2/2
Q、今日の練習試合はいかがでしたか。 A、1本目だけでなく2本目もとても満足しています。チーム全体が、私が期待していることをしっかりと理解してプレーしてくれた時間帯が多かったからです。 1本目の対戦相手である琉球は、ブロックを下げて守備をしてきましたので、押し込んだ上で、ボールを奪われた後に奪い返してからのショートカウンターという展開が多かったですし、チームは上手くやっていたと思います。狭いスペースのなかで素早いショートカウンターからゴールを奪えたのは良かったと思います。 2本目の大宮との試合は、相手が前からボールを奪いに来ていたがゆえに、ディフェンスラインの後ろにスペースがある状態での攻撃が多くなりました。大宮はハイプレスを意図していたわけですが、そのハイプレスに対応して上手く打開できた回数も多かったです。2本目で生まれたゴールというのはまさしく相手の背後にあるスペースを突いてのゴールでした。あのようなプレー、ゴールをもっと多くできればよかったですけれども、回数は多くなかったのは課題です。 1本目、2本目を通じて、ボールを支配することによって試合を自分たちがコントロールできる、そのつながりというのを選手たちも感じてくれたと思います。今日は、しっかりとボールを支配することが試合を支配することにつながったという意味でも、自分たちが上回っているということを証明する良い試合ができたと思います。 ただ、まだまだ改善点はたくさん残されているので、今後の成長を期待しています。現在はプレシーズンが始まって3週目に入っていますけれども、重要なことは、チーム全体が私の期待するプレースタイルを理解してピッチで表現し始めていることです。さまざまなプレースタイルをリスペクトしていますし、去年の東京のプレースタイルについてもリスペクトしています。私が期待しているプレースタイルとは違うプレースタイルからの変更というのは、選手にとってとても難しいものですが、それに上手く適応してくれているのは嬉しいことです。
Q、奪われた後にディレイをせず(遅らせず)、連動して前からプレスをかけて守備をすることは非常に難しい守備のように感じます。 A、決して前向きに守備をすることが難しいとは私は思っていません。私にとって興味深いのは、日本の多くのチームが、まずはブロックを下げて守備をするということです。 ヨーロッパのレベルの高いクラブのほとんどは、ミドルゾーンから可能な限り高いブロックを保って積極的に前掛かりで守備をしています。現代的なサッカーではそれが当たり前だと私は思います。
Q、今日の試合でも高い位置に保てたからこそ、そこから良い攻撃につながったのでしょうか。 A、ブロックを高く保って守備ができていると、そこから奪ってから良い攻撃ができます。長い距離のカウンターというよりは、素早い攻守の切り替えでゴールに向かうプレーができていたと思います。ただ、私にとってもっとも理想的な守備は、ボールを保持して試合を支配することだと思っています。勝利したとしても多くのシュートを打たれてしまうのではなく、今日のようにボールも試合も支配できると相手にシュートを打たれるシーンもゼロに近くなります。私は、ブロックを下げて守備を固めることが、よりよい守備につながるとは思っていません。まずはボールを保持することが最高な守備の仕方だと思っています。
Q、ボールを取った後にすぐにゴールに向かう攻撃が続くと体力的にも厳しいので、試合をコントロールしながら休む時間も必要になりますね。 A、去年までのカウンターアタックを武器にしたプレースタイルで身に付けた素早い攻守の切り替えからゴールに向かう意識というのは、今年も武器になるのでさらに磨きをかけていきたいですし、活かしていきたいです。 ただカウンターの距離が長くなるほど成功率は下がってしまいますし、カウンターばかりになってしまうと相手にボールを支配されて、守備の時間が長くなるという悪循環が生まれてしまいます試合をコントロールするところもまだまだ時間をかけて改善するところがあると思います。 <おわり>