日本vsサウジアラビアを見終えて

引き分け以下だと、3位転落の可能性があり、首位のサウジアラビアの予選通過が濃厚になってしまうので、ホームでなんとしてでも勝ちたい状況でしたが、2-0で勝利を掴んでくれました。

相変わらず代表熱は戻らないので中国戦は見ておらず、サウジアラビアもスルーの予定だったのですが、日向坂46の影山さんが生で試合を見ながらお話をするということで見ることにしました。本当にフットボールの話ばかりで(笑)、影山さんきっかけでフットボール追っかけている人は大変だと思いますが、彼女を基準に学んでいったら気づけばコア層にいると思いますよ。

中国戦の評判もあまり良くなかったということもあり、かなりハードル低めで見始めたのですが、思ったより良かったです。昨日のスタメンでゲーム強度高く戦えば、サウジアラビアレベルの相手であれば、自由にプレーさせていませんでした。海外組(or経験者)はボールの寄せ方が深かったです。油断していると足ごと狩られそうでしたし、実際に狩られているサウジアラビアの選手もいました。ポゼッションの部分は相変わらず下手でしたが(個人の技術の問題というよりチームの問題)、ボールを奪ってからのカウンターは鋭さがあり、外国人関係者が日本の強みはカウンターだと言うことへの信憑性が強まるなと思いました。

危ないシーンもありましたが、勝ちにふさわしい内容ではあったと思います。試合後の選手たちの顏からも充実感を感じました。森保さんの試合後の恒例の?選手やスタッフに向けての演説みたいなものは個人的にあまり好きではないのですが、こういうチームの作り方はあるよなと理解はしています。

ただ、最終予選も突破が現実的なものになりつつある状況ですが、気づけば最終予選突破が目標みたいになっている気持ち悪さは感じます。もちろんコロナのせいでチーム作りが難しかったり、今までの最終予選も苦労はしていると理解はしています。コロナのなかった世界線よりも、苦労が増えていることは間違いないです。

しかし、それでも今の状況にとても違和感を感じています。個人的にそう感じている理由は、今の日本人選手の人材であれば、もっと苦労せずに戦えると思っているところがあります。それが必要な苦労なのであればいいのですが、必要のない苦労が選手の負担になり、選手の頑張りでなんとかしている(勝ち点を拾っている)という状況に不満を感じているのだと思います。たぶん、森保さんを含めた代表スタッフは必要な苦労を今は強いていると思っているはずなのですが、見ている側としてはそこに対する説得力を全く感じません。それはお前が理解できていないだけだとか言われたらそれまでなのですが。

ホームでオマーンに、アウェイでサウジアラビアに負けたことで危機的な状況になりました。そのことで、最終予選は(厳しいものと理解しつつも)突破して当然のものから、最終予選が目標な状況になってしまっているなと個人的に感じています。本戦でベスト8とかが目標じゃないのか?本戦ってボーナスステージだっけ?と。

結局ロシアW杯にコーチとして参加していた森保さんが監督になったことで、代表強化が地続きになっているようで、やっぱいつも通り4年ごとにぶつ切りになっているなと思います。書いてて思いましたが、森保さんは五輪代表も兼任していたので、選手の違いは当然あるのですが、チームの枠作りの場はそれなりにありました。

あと個人的に不安に感じたのは柔軟性がなさそうなところです。今のところ遠藤航、守田、田中碧の3センターは非常に効いていますが、彼らの誰かが欠けたときにそれをカバーする術はなさそうだなと。

伊東純也が大活躍でしたが、彼がいなかったらどうやって得点までいくのだろうというのも感じましたし。

あと、ルーティーンのようになっている長友→中山の交代です。中国戦のパフォーマンスは良くなかったらしいですが、サウジアラビア戦の長友は悪くありませんでした。長友の弱点である高さの部分で問題が起きていたわけではありませんし、体力に問題があったようにも見えませんでした。サウジアラビア戦の中山のパフォーマンスはお世辞にもよかったとは言えず、穴になっていました。中山が五輪代表であったりで、SBとして悪くないし仕事をしているのは知っていますが、変える必要性を感じない選手をいつも通りのパターンのように交代して、チームを苦しい状況にしてしまうところに柔軟性のなさを感じました。これに限らずに交代がポジティブな効果を生まないというのは森保さんの特徴ですはありますが。

最後に

森保さんはたぶんすごいいい人だと思います。一人一人の選手と向き合ってくれたり、試合後に熱く訴えかけたりと人の気持ちを掴むことに長けている印象があります。

私は今の森保さんの監督としてのフットボールチームの作り方は好きでないので、試合後の演説?みたいなものを見ていると冷めた気持ちになってしまうのですが(笑)、もし自分が選手の立場で、常に親身に熱く接してくれていたら、この人のためなら頑張ろうという気持ちになる可能性も否定できません。

ただ、私は代表選手でもなんでもないので、今やっていることが今後の日本代表にとってポジティブな方向に作用するかなということが気になります。

現状の印象としては、残念ながらあまりポジティブなことは残らなそうだなと感じています。もちろん個々の選手には大きな経験として残っていくのでしょうけど、大きく日本代表というチームで考えたときには、大したものは残らないのではないのかと。

選手の判断を非常に尊重するというか、選手たちが自分たちで常に変化が起きるフットボールというスポーツの性質に対応できるようにしていきたいようですが、かなり複雑な性質のスポーツなので、選手の固定化だったり、それにおけるトラブルが起きたときの対処が弱くなったりと、割と運に身を委ねる部分も少なくないよう思うので非常に怖いチーム作りをしていると思っています。

固定化することで、その選手たちが揃った場合のチームクオリティは上がっていくけど、そうでない選手が加わったときに何をするかがぼやけていそうなチーム作りをしているな思っているので、主力が怪我をしないように神頼みが重要になってくるなと(冗談抜きで)。

今までの最終予選のときは誇張なしで叫びながら試合を見ていたし、(私の観察内の)Twitter上では純粋に応援をしている人やどういうことがピッチ上で起きているのかを真剣に読み取ろうとする人がいたりと、非常に熱のあるイベントだったのですが、その感じはずいぶんなくなってしまったのは悲しいです。

あの頃が100だとすると、今は20、30くらいの感覚です。

それなのに試合後のあのような演説をやられると、なんか非常に閉鎖的なところで内内にやっている感じがしてしまうのです。

また、あの頃みたいにと思うけど、とりあえず会長変わんないと無理なんでしょうね。

<おわり>