日本vsパナマ

(この記事は2018/10/18にnoteで書いた記事です) 森保体制2試合目。 前回は2試合の予定が震災により1試合のみに。 前回も一応サラッと記事を書いたけど、1試合だけじゃ何とも言えないというのが正直なところ。 じゃ、2試合でわかるの?というと正直わからん。 でも、とりあえず材料は残しておいた方がいいのは間違いないので、記事を書いてみる。 1.png スタメンはご覧の通り。 前回の宿題 日本vsコスタリカ この記事で「SHはなぜ攻撃時にHSにポジションをとるのか?」ということに対して仮説を書いた。 仮説①:できるだけ最短コースでゴールを奪いたいからペナ幅内でポジショニングをとる(チームの決めごと) 仮説②:サイドのスペースは、SBが使った方がいいと考えている(チームの決めごと)※SBの質が大事になってくる 仮説③:選手が自由に判断している(チームの決めごとでなく自己判断) まだ2試合目なので、完全なる答え合わせとまでは言えないけど、パナマ戦を観たうえでの答え合わせだけはしておこうと思う。 まずは仮説①から...と言いたいところだが仮説③から。 仮説③答え合わせ 前回は堂安と中島という、どちらかというとポジションをきっちり守るタイプというより良くも悪くも自由に動くタイプの選手だった。 さらに過去の代表選手で、サイドにいろと監督から要求されても、吸い込まれるように中央にいる選手もいたため、この2人もそのパターンである可能性は捨てきれなかった。 しかし、パナマ戦で起用されたのは原口と伊東。 2人ともサイドに張っとけができる選手で、ポジションを守れる選手だ。 その2人がサイドに張ることよりもHSにいることの方が多かった。 どうやら、これは監督から求められていることを実行している可能性が極めて高い。 そのため、仮説③の可能性は限りなく0になった。 次は仮説①。 仮説①答え合わせ パナマ戦を観た感じだと、仮説は間違っていないように観えた。 狭く速く攻撃する意識が森保ジャパンは強いように観える。 狭く攻めるということは、相手も広がらないためスペースがなくなってしまうのだが、日本人はスペースを創出してそこをアタックするよりも、狭いスペースを複数のコンビネーションで崩す方が合っていると考えたのかもしれない。 最後に仮説②。 仮説②答え合わせ サイドのスペースをSBのために空けているというより、狭く攻めることで自然とサイドのスペースが空き、結果的にサイドにいるSBが使うことが多くなるというのが今のところの答えかなという感じ。 アジアだけならまだしも、本戦に進んだ場合、前線の選手だけで得点を奪えるほど選手の質は高くないので、SBは攻撃にも積極的に関わらないといけない。 なので、90分アップダウンができる、攻め上がるタイミングを見極められる、相手ボックス近辺で違いを見せれるなど、選手に要求されることはかなり多い。 その水準まで辿り着いたのは、長友、ウッチー、宏樹くらいでないだろうか。 次に続く選手が早急に求められる。 カウンターに弱い森保ジャパン 森保ジャパンは、結構積極的に前からプレス(前プレ)をかける。 前プレのメリット ①高い位置で奪えれば、ゴールチャンスにつながりやすい。 ②ネガトラの瞬間に即時プレスをかけることで相手に休む時間を与えない(肉体と頭を疲労させる)。 前プレのデメリット ①後ろから(全体で)連動して動かないと、簡単に外されて前進させてしまう。 ②最終ラインを基本は高くするので(そうしないとミドルサードに広大なスペースが生まれてしまう)、裏に広大なスペースが生まれる。 どんな戦術にもメリットとデメリットが存在する。 しかし、だからといってデメリットを放置しておいていいわけではない。 そのデメリットとどう向き合うかが大事なのである。 例えば、デメリット①だが連動することが必ず必要かというとそうとも限らない。 前線の選手は前プレをかけて、後ろはそこまで押し上げずに待ち構えていてOKというのでも成り立つことはある。 レアルマドリードなんかはそういうときもある。 バルセロナや他国のビッグクラブ相手となるとそうもいかないが、ヴァラン、セルヒオ・ラモス、ナバスで失点を防いでしまうということも少なくない。 前で奪えれば理想だけど、外されても後ろが解決してくれるからというのが力関係によっては成立する。 だが、それはあくまでレアルマドリードのような超一流が集まるチームの場合の話だ。 日本代表には全く当てはまらない。 なので、デメリットとの向き合いが大事なのだ。 現状の森保ジャパンの場合、デメリットの部分が際立ってしまっている。 全部同じような形の被カウンターではないが、いくつか気になるのはファーストディフェンスが外された後にミドルサードに広大なスペースが生まれてしまうこと。 ファーストディフェンスが外されたら、最終ライン(ボランチが1枚いればボランチが)が時間を稼ぎながら前線の戻りを待つ感じだ。 パナマのカウンター精度が高くないこともあり、大きなピンチになることはなかったが、これは大きな問題になりそう。 パナマ戦考察。森保監督が追求する日本式ポジショナルプレーの片鱗 500氏の記事よれば、私が書いたことと同じことを言いたいかはわからないが、スペースが生まれてしまう問題は広島時代からあるようだ。 日本には一人でなんとかしちゃうようなスーパーマンはいないため、この問題を森保さんが解決できるかは、かなり重要なミッションとなるだろう(クラブで解決できなかったことを代表で解決するのは難易度高い)。 雑感 ワイドに攻めることよりも、狭く速く複数のコンビネーションで攻めることが日本のスタイルなのでは?とJFAが判断した(森保さんの単独判断でないとは信じたい)のではないかと思われる試合だった(コスタリカ戦も含め)。 ただ、日本人はポジションを守ることができない(by モンバエルツ)と言われたりするようにボールに寄ってしまう傾向が強い。 横浜F・マリノスでの3年間を告白。モンバエルツ前監督は何を目指した? ボールに寄ってしまうことが悪いわけではないが、ワイドを”あえて”捨てて狭く攻めるのと、ワイドに攻めれない(選択肢としてない)から狭く攻めるとでは全く意味が違う。 コスタリカ戦とパナマ戦を観た印象からすると、スタート時からのスタイルを90分通して貫いていたように観えた。 それが意図的なのか、それしかないのかわからないが。 森保ジャパンの近々の目標はアジアカップ優勝。 選手個人の力関係からして、ある程度引いてスペースを埋めてくるチームと対戦することが予想される。 そういう状況になったときに引き出しがあるのか? それとも1つのスタイルで、ハンマーでぶっ壊せばOK理論で突き進むのか。 まだまだ実態を掴み切れない森保ジャパンなのであった。 それでは。