マリノスvs磐田の失点シーンを振り返る(4失点目)
4失点目。ラストでーす。
(前回までの記事はこちら:1失点目、2失点目、3失点目)
4失点目
(72:51~73:11)
ゴールキックからリスタートです(画像はそのボールを受けた畠中からスタート)。
まず不思議なのが畠中のパスを受けたティーラトンに対して、RCBの祥平がアプローチしています(ギリギリ相手ディフェンシブサードエリアくらいです)。ゴールキックになる前の映像を確認しましたが、祥平が高い位置にいたわけでもないので、なぜここに祥平がアプローチすることになったのかは謎です。
さらにティーラトンのパスを受けた遠藤に対しては祥平のカバーに入っていたと思われるWBの昌也がアプローチして、近くにいた大記と挟み撃ちにしようとしますがドリブルで逃げられてしまいます。このとき昌也は逆サイドに向かってドリブルでする遠藤に対しずっとついていきます。このプレーを観るだけでも、磐田がマンツーマンディフェンスであることがよくわかります。ここでは使われませんでしたが、昌也のいた右サイド(磐田から見て)はガラ空きとなっていました。
中央エリアまでボールを運んだ遠藤はサイドにいる仲川にパスをします。仲川は前にボールを運びつつも、泰士が邪魔なため無理をせずに後方の和田にパスをします。和田は横にいたマルコスにパスをします。ここからさらにエラーが起きます。マルコスが受けたパスをダイレクトで和田にパスするのですが、マルコスにアプローチしていた大記がそのまま2度追いで和田にアプローチします。最後の2枚の画像を観るとわかるのですが、それによって中央のエリアに広大なスペースが生まれています。個々の判断でディフェンスしているため、中盤はボールサイドに人を掛けるが、最終ラインは5枚のラインを維持したままです。スペースの管理もできない、バラバラな動きで非常に歪んだポジショニングになってしまう。3点差、70分過ぎということを考えても、あまりに酷い状況だと思います。
(73:11~73:31)
大記をドリブルで外した和田は中央でフリーの喜田にパスをします。先ほども書きましたが、中央は空いています。しかし、喜田は無理せずにサイドにいる畠中にパスをします。畠中は中央レーンからハーフスペースに移動するティーラトンにパスをします(結局1試合を通して、中盤に入ってくるティーラトンをどうするかは解決できなかった。磐田のやれることは541にしてガッツリブロックを作ってマリノスの選手に動かされないようにするとかだったんじゃないかなと思っている)。ティーラトンは寄ってきたマルコスにパスをします。これにCBの大井が反応してアプローチします。ラインも揃わずに最終ラインの後方に広大なスペースが生まれてしまいました。パスを受けたマルコスが裏に走る扇原にスルーパス。これで万事休す。深くえぐった扇原はエジガルにパス。それをエジガルが決めて4点目。ボックス内でのエジガルのマークを外す動きは見事だったですね( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
4失点目については以上です。
結局4失点目も磐田のエラーが多く含まれているものでした。
4失点を振り返ってみて
磐田のレビューをやめてから結構時間も経ち、失点シーンだけとはいえ久しぶりに磐田の試合をちゃんと振り返りましたが、やっぱ酷かったんだというのを再認識するだけでした(-_-;)これだけのエラーが重ねれば、そりゃ失点するよねという。6シーズン同じ監督、コーチで戦ってきてこれですから、今後大きく改善されることは全く期待できません(ディフェンスに関しては、失点数の違いはあれど、毎試合こんな感じと思ってもらっていいです)。選手は愚直に頑張っているし、必死にボールを奪いにいってもいますが、その判断を間違えていることが多いです。しかし、これだけ多くの選手でエラーが起きるというのは選手個々の責任よりも、どうディフェンスをするのかをしっかりと落とし込めていない監督とコーチの責任が大きいと私は思っています。
今回失点を振り返った理由も「磐田を分析したい!」とか「こうすれば磐田はもっとよくなるのに!」ということを提示したいわけではなく、4得点したことでマリノスが過剰に称賛されることに違和感を感じたからです。これだけディフェンス側にエラーが起きて得点が起きているのに、なぜディフェンス側について批評されないのか。とても健全じゃないなと思いました。
磐田ほど酷くないにしても、人につきすぎてスペースの管理ができていないなどの現象はJリーグだとそこまで珍しくない現象なので、この記事を読んだことで「うちのディフェンスはどうなんだろう?」と思ってくれる人がいたり、ディフェンスに関して興味をもってもらえた人がいたら大変嬉しいです。
終わり。