第1節 磐田vs山形

(この記事は2020/02/24にnoteで書いた記事です) とうとう開幕しました。 個人的なレポートを今シーズンは残そうと頑張ります。 picture_pc_4d1f8bd2a213f9d3a119ebf853ac068c.png picture_pc_3dc58671d86ecaaad6b2dcec32b477f2.png picture_pc_ddef50f94a55483517ab5263b787ec0d.png (画像は全てJリーグ公式HPより引用) 難しいコンディションだった試合 23日の磐田の天気は晴れていながらも、非常に強い風が吹いていました。それはボールの動きを左右するレベルでした。 また試合後のコメントで、途中出場の虎太朗が「寒かった」と言っていました。画面越しでは晴れていて風が強いしかわからなかったですが、ここに寒さが加わるとなるとコンディションはあまり良くない(どちらかというと悪い)状況でした。晴れていても強風ってだけで相当しんどいのに、さらに寒いというのは実際に体験するとわかりますがめちゃくちゃしんどいです。 さらに開幕戦ということもあり普段にないような緊張もあったようです。磐田の立場で言えば、1年でJ1に戻るためにも開幕戦でつまずくことは絶対に避けたいことです。負けられないという緊張もあったでしょう。 何が言いたいかというと、チームがもつ本来のポテンシャルを発揮するのが磐田も山形もなかなか難しかったということです。 ポゼッション フベロが構築したいスタイルが”ポゼッション”であることは昨年から言われていたことです。この試合でも、ある時間まで狙いをもってポゼッションできていたように思います。そんなポゼッションをしている状況を観て思ったことがいくつかありました。 ①ゲームスピードをコントロールする ポゼッションをしていると、ゲームがとても落ち着きます。前体制であれば前に縦パスしたり、ドリブルで前進していたであろうシチュエーションでも、横パスやバックパスを選択することが何度かありました。それによって、カウンターで行ったり来たりするようなことはだいぶ少なくなりました。 ②カウンターを受ける機会を減らす 磐田のスタメンの11人は決してフィジカル能力に秀でたタイプが多いとは言えません。特に最終ラインの健太郎、藤田、ミヤはどちらかという読みや事前の準備で勝負するタイプです。よーいドンで、単純なスピード競争になるとなかなかキツイところがあります。結果的になのか、それも含めてなのかはわかりませんが、ポゼッションをすることで嫌な形でカウンターを受けることは減りました。 ③ポゼッションにおける我慢 私がJリーグを観ていて思うのは、ボールを保持したチームで我慢をできるチームが少ないなということです。ボールを持つことに耐え切れず、無理矢理縦パスを狙ってしまうようなことが多い印象です。磐田はこの試合の27:35~28:52の間(1分以上)ボールを回し、最終的に裏のスペースにボールを供給しチャンスメイクをしているシーンがありました。これは非常に良いことだと思いました。相手が崩れるのを待てるというのは簡単なようで意外と難しいです。非常にポジティブな現象でした。 70分過ぎにロングボールが増えたのは狙いなのかどうなのか 理由は定かでないが、70分過ぎあたりからシンプルに前線目掛けてロングボールを蹴ることが増えた。前線に圧倒的に収まりのいい選手がいて、キープしてマイボールにできるのなら問題ないが、航基もルキアンも疲れからか、山形の選手に競り合いで勝てないことが増えていた。セカンドボールも回収され、奪ってもまたロングボール…というあまり好ましくないサイクルが続いた。最終ラインの選手は簡単に蹴ってしまい、中盤の選手はバックパスの選択肢がなくなり(受け手の問題か出し手の問題かはハッキリせず)、前に無理矢理運ぼうとしてボールロストしていた。個人的には、前半のようにポゼッションしながら、ゲームを能動的にコントロールしてほしかったが、どうしてこうなったのかはこの試合だけではわからなかった。次節以降のチェックポイントでもある。 スペースを生み出し、使いましょう ボールをポゼッションをしていることの狙いの1つとして、有効なスペースを生み出すことがあります。スペースについてはキャンプから相当言われていたことのようです。 この試合でも右サイドにスペースが生まれたのにそこに動かなかったルキアンに中央から外に流れるように強く指示するフベロの姿がありました。 まだ見極めが難しそうなボールホルダーへのアタック フベロがまずボールを失ったときにまず求めるのは即時奪還。ブロックを作って待ち受けましょうという選択は1番最後のように思います。ボールを積極的に奪うというのは非常に聞こえはいいですが、リスクが伴うやり方でもあります。この試合でも、SB(主にミヤ)がWBにアタックした際の裏のスペースを狙われることが何度かありました。CBがマークしていた選手がパスが来る瞬間に下がって受けるときにそのままマークしているCBがアタックせずにラインの形成を崩さないことを優先するシーンもあり(結果的にピンチになることも)、まだアタックするべきなのかそうでないかの見極めは向上させなければ、積極的にプレスにいくことを逆手にとられてしまうなと思いました。 横のスライドとコンパクト 縦のアタックするディフェンスは強いように観えたが、横に揺さぶられたときのスライドがあまり早くなかったり、中盤と最終ラインの距離が若干遠くなり、その間のスペースにサイドから斜めにパスを打ち込まれることが何度かあり、非常に嫌な印象をもちました。 航基でとりあえず解決したスコアラー問題 どんな良い内容の試合をしようとも得点がとれなければ勝ち点3にはならない。ルキアンは非常に素晴らしいFWだが、得点力のある選手でないのは昨シーズンでわかった(これから覚醒するのをまだ期待している)。そんな中で航基や新加入のルリーニャに掛かる期待は大きい。ルリーニャは出場機会がなかったが、航基は早速2得点と文句のつけようがない結果を残した。 航基は「運があった」と語っていたが、康裕のシュートがファーに流れてくるかもしれないとしっかり準備していたからいち早く反応できたのであって、決して運だけで獲ったゴールではない(康裕のシュートするタイミングの航基の動きに注目)。 こちらのゴールについても謙虚に「(昌也の)ボールがよかった」と語っていたが、しっかりとゴール隅近くにヘディングシュートするのは素晴らしかったと思う。 雑感 山形の事前情報もあまりなく、個々の選手についてもあまり詳しくないため、開けてみなければわからない状態で観たが、非常に嫌な相手で、まだチームが成熟していない時期に当たれてよかったかもしれない。何度かチャンスをつくられたが、個のクオリティに助けられた部分が磐田としてはあった。裏を返せば、J1で今のチームクオリティではまだまだ厳しいとも言える。ひっそりとシーズン開幕前に記事をあげて、そこに書いたのだが、下の立場から、上の立場になった難しさというのありそう。リスペクトされながらも、それをなぎ倒していけるかは、とにかく勝って勝ち癖をつけて自信を高めていくしかないだろう。課題がまだまだ多めに感じたが、最初に書いた通り、特別なコンディションの試合でもあったわけなので、勝ったことがとにかく大事だったとは思います。 次節はアウェイ福岡戦。前半しか観ていませんが、監督が長谷部さんになったとはいえまだまだチームの完成度は低い印象だったので、このチーム強くなる前に叩いておきたいところです。 終わり。