ドゥドゥの移籍から移籍について考えてみよう!

日中にボケーっとしていたら、ビックリするリリースが飛び込んできた。

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!?

昨シーズン、リーグ戦で39試合で9ゴールという結果を残したバリバリの主力の移籍。

これが神戸、川崎、マリノスなど、磐田よりも現状明らかに格上のクラブに移籍するなら、フットボールの世界ではよくあることだと思えるのだが、まさかのカテゴリーが下のクラブである。

さらに混乱させるのがドゥドゥの移籍に対してのコメントである。

ジュビロ磐田に別れを告げる準備はできていませんでしたが、そのときが来ました。一緒にJ1でプレーできなくて残念です。しかし、私と家族を暖かく受け入れてくれて、応援し続けてくれたことにとても感謝しています。この2年間は特別な思い出です。ありがとうございました。

(引用元:ドゥドゥ選手 ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍 | ニュース | ジュビロ磐田 Jubilo IWATA

サポーターというのは、どちらかというと選手に肩を入れがちなところがある。

このコメントを文面通り受け取ると、選手は残りたかったのにクラブがそうしなかったように見えてしまう。

しかし、果たしてそう受け止めるのは正しい受け止め方なのだろうか?

個人的にこの移籍に関して感じたことを残しておきたいと思う。

 

 

はじめに

前提としてJリーグの移籍市場に関して混乱の原因になっていると思うのが、Jリーグだと選手の契約年数や年俸がわからないということ。

稀に複数年契約をしたとクラブが公式に発信したりするが、基本的には公式にも日本のメディアを通してもわからないことが多い(国外のメディア経由でわかるパターンはある)。

だから、違約金発生の有無であったり、選手が現在どれほどの年俸をもらっていて、他クラブからのオファーがどれだけだったのかというのも基本わからないことが多い。

これがわかるだけで、クラブや選手に対しての負の感情というのはだいぶ減りそうだし、ストーブリーグのエンタメ性も上がると思うのだが、一向にオープンになりそうな気配はない。

なので、ここから書くのはどうしても推測が多分に含むというのをご了承の上で読んでもらいたい。

 

移籍の理由を考えよう!

まず共有しておきたいのが、ドゥドゥは完全移籍で磐田に来ているということ。

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契約年数に関しては、国外のメディア(信用性不明)では3年(2024年シーズンまで)、トランスファーマーケットでは、2023シーズンいっぱいとなっている。

契約がちゃんとわかれば、もっとシンプルに考えれるのに!!とは思うが、ないものはしょうがない(しょうがなくはない)。

なので、前提条件として、違約金発生パターンとフリーパターンを考えなければならない。

 

違約金発生パターン

どんな選手でも、違約金は設定されている。

設定された違約金を払う意思のあるクラブが現れ、選手が出ていくことを望めば、所属元のクラブがやれることは基本ない。

しかし、今回起きた移籍はJ1クラブ→J2クラブという主力選手ではなかなか起きにくいパターンだ。

純粋にフットボールの競争だけを考えれば、相手クラブが違約金を払う意思があっても、選手が移籍を望まないため契約が進まずに終わるというのは十分考えられる。

しかし、今回移籍は起きたわけだ。

しかも、本人は磐田でやりたかったみたいなコメントを残している。

考えられるのは、ドゥドゥの年俸に関してだ。

もし3年以上の契約で加入していた場合、契約の見直しをしない限りは年俸は特別な契約でもしていない限り、移籍してきたときの年俸のままだ。

素晴らしいパフォーマンスを1年通してしたわけだが、それが年俸に反映されないのである。

そこに千葉が現れ、ドゥドゥが望むような額を提示されたらどうだろう?

おそらく、ちょっと増えたとかそんな増え方ではないはずだ。

日本だとあまり多くはないが、ブラジル人選手はお金にシビアにならざるを得ない事情がある選手がいる。

いや、だったら磐田も主力選手にはそれ相応の年俸を改めて提示しろよと思う人もいるかもしれないが、予算には制限があること(外国籍選手の税金負担増の影響も)と、磐田がストーブリーグで新たに獲得した選手によって、ドゥドゥが必要不可欠なほどの評価をする必要がなくなったのではないかと個人的には思った。

磐田としては、自分たちの評価はこれだという明確なラインがあり、ドゥドゥはそれに納得はできない。

そこに千葉が現れ、磐田が納得する違約金を提示し、ドゥドゥの満足する年俸を提示した。

そうなれば、この移籍の壁はなくなる。

 

フリー移籍

主力選手のフリー移籍はどこでもサポーターに嫌われるものだ。

「フロントはバカなの?」

「○○は金に釣られたか!!」

などなど、いろんなクラブ関係者がターゲットになり、愛が強かっただけに、憎悪もそれ以上に生まれてしまうのである。

フリー移籍の場合に重要になるのはやはりクラブのフロント(強化部)だろう。

選手がどれだけ活躍していようとも、クラブが契約延長のオファーをしなければ、選手はフリーとなる。

ということは、そうなる前にフロントは動かないといけない。

普通に考えれば磐田の強化部は動いていたはずだ。

後半戦にいきなり活躍しだしたわけでもないので、8月や9月くらいには打診程度の話はしていると思う。

ここで分かれ道になる。

その時点で「契約延長を前提に進めましょう」となるのか「契約の詳しい話はシーズン終わってから決めましょう」となるかで全然違う。

前者であれば、シーズン中に契約延長の意思があるが、後者だと磐田以外の選択肢も残しておきたいと考えている可能性がある。

結果的に磐田はJ1に昇格したわけだが、もし失敗していたら、今シーズンのドゥドゥのパフォーマンスで、違約金が発生しないのであれば、J1クラブからオファーが来る可能性は十分ある。

キャリアを考えれば、上のカテゴリーでやれて、かつ給与アップの可能性が見込める選択肢を残しておきたいと考えるのは普通だろう。

シーズンも終わったし、契約のお話をしましょうとなったら、選手はクラブに満足しているし、プレーを続けたい意思はあるが、年俸面で納得できなかったという可能性はある。

磐田もできる限りの提示をしたが、ドゥドゥを満足させるオファーをしたのが千葉であった。

(シーズン中に契約延長の意思がない選手は干すというパターンもあるが、今シーズンは磐田が補強できないことと、ドゥドゥの代わりとなるような選手がいなかったため、クラブ側が強気で動くのは難しかった。)

 

おわりに

2つのパターンを考えたわけだが、先にも述べたように推測が多分に含まれているし、実際には全くの的外れであるかもしれない。

でも、なぜ書いたかというと、移籍にはいろいろな事情があるということだけは知って欲しいなと思ったからだ。

個人的には、違約金が発生するパターンの方がしっくりくる(違約金+西久保という意見も)。

主力選手の移籍は残念だし、寂しいけど、これもフットボールの世界の面白い部分であったりする。

最近だと、欧州ではユナイテッドで干されているサンチョについて「サンチョ?(獲得なんて)ありえへんよ」みたいな感じだったドルトムントがサンチョをレンタルで獲得間近みたいに報道されている。

フットボールの移籍市場において、公式のリリースがあるまで、100%信用していいものなどないのだ。

それを理解しながら、楽しむストーブリーグはめっちゃ楽しいよ。

 

<おわり>