若手の育成と出場機会

(この記事は2018/08/12にnoteで書いた記事です)

毎年どのクラブも新卒の選手が入ってきます。

高卒(18歳以下)は、ほとんどの選手が未来を見据えての獲得。

大卒は、即戦力として計算されての獲得傾向が強いように感じます。

しかし、高卒にしろ大卒にしろ、プロのチームで試合に出るということは容易なことではないです。

期待されながらも、試合に出ることすら叶わずにプロの世界を去る選手までいます。

実力がすべての世界なので、選手の実力がないのが問題だと片付けてしまえば簡単ですが、それではあまりに無責任なのではと私は思ってしまいます。

選手が一番成長する場、それは実戦(公式戦)です。

城福浩が語る、選手育成。「ポジションを奪うプロセスこそ、成長」 | footballista.jp

「育成とは、ポジションを与えることではない。それが私の考え方です」

「ポジションは奪うもの。100試合とか200試合のキャリアを積んだ選手から(レギュラーを)奪うそのプロセスこそ、成長なんです。10代で試合に出すことが育成ではない。トレーニングマッチで一度くらい結果を出したとか、プレシーズンで頑張ったとか、それだけではポジションは取れない。たとえば戦術的なことでも、実績を積んだ選手は自身の経験を照らし合わせることができるから、指示が腑に落ちやすい。局面だけではなくその数手前のことまで考えが及ぶ。経験のない選手が実績組からポジションを奪うには、トレーニングで見せるしかない。一生懸命にやるのは当たり前です、プロですから」

城福さんのこの考え方は正しいと思います。

ただ、この考え方だと、先ほど言ったような実力のない選手が悪い(努力していない)で終わってしまうと思うんです。

磐田の若手3選手

ここで一旦磐田の若手選手を紹介したいと思います。

(私の)若手の定義=20歳未満

(※記事を書いた段階で、20歳の選手がいましたが、同期入団の選手(同学年)でまだ19歳の選手がいたので、今回は若手枠に入れました。)

藤川 虎太朗 | トップチーム選手 | クラブ&選手 | ジュビロ磐田 Jubilo IWATA

[MOM1753]東福岡MF藤川虎太朗(3年)_厳しい自己評価下す「ヒガシの10番」、勝負どころで決勝点 | ゲキサカ

東福岡で10番を背負って、選手権と総体の優勝経験があり、経歴は完全にエリート。

残念ながらアマチュア時代のプレーはほとんど観たことがなく、プロになってからもルヴァンor天皇杯の出場機会しかないため、私の視聴環境ではお目にかかれていない。

ただ、獲得オファーは複数あったようなので、素材としての期待値はかなり高い模様。

針谷 岳晃 | トップチーム選手 | クラブ&選手 | ジュビロ磐田 Jubilo IWATA

昌平高の後輩が明かす、磐田MF針谷岳晃の高校時代と“ハンパない”一面 | ゲキサカ

個人的な印象としては、突然現れたという印象。

3年時の総体で一気に名前を売り、プロから狙われた印象がある。

もしかしたら、全国区になる前から密かに注目されていたのかもしれないが、総体のパフォーマンスがスカウトの目を引いたのは間違いないだろう。

パスの技術が高く、将来を非常に期待されている。

残念なことにハリーも公式戦で観る機会が少ない。

プレースタイルを語れるほど、継続して観れていないので、継続して観たい選手の一人である。

伊藤 洋輝 | トップチーム選手 | クラブ&選手 | ジュビロ磐田 Jubilo IWATA

【U-19代表】特大のポテンシャルを持つ伊藤洋輝。さらなる飛躍のカギはジュビロ2大レジェンドの存在 | サッカーダイジェストWeb

高校3年(昨年)にして、トップチーム入りを果たした、磐田の、いや日本代表の期待を背負う大型ボランチ

身長188cm、左利きというスペックだけでも、否応にも期待をしてしまう。

U-15から全ての世代別代表に選ばれているスーパーエリート。

タレント性からすれば、早く海外に送り出さねばと思っている選手である。

さて、なぜ磐田の選手を紹介したかというと、3選手ともに継続して試合に出れていないからである。

伸び盛りの時期に実戦をこなせないというのは、応援している方からしても非常にもどかしい。

では、この選手たちの試合が出れていない原因は何なのか?

当然、一番の原因は実力不足。

ベンチ入りしているメンバーよりも実力で劣るため、試合に絡めないのである。

で、ここで問題となってくるのが、ベンチ入りしている選手と3人との実力差がどれくらいあるのかということである。

ここで、各選手のポジションのライバルを比較してみる。

(3人ともポジションがまだ定まっていないので、MFという大枠で比較します)

田口泰士

・ムサエフ

太田吉彰

中村俊輔

松浦拓弥

宮崎智彦

松本昌也

アダイウトン

山田大記

山本康裕

・荒木大吾

・上原力也

この選手たちから現段階でポジションを奪えるかというと、かなり厳しいのではというのが正直な意見だ。

3人も努力をするが、当然他の選手もポジションを奪われないために努力をする。

実戦の経験を積んでいる選手の方が成長していくので、実戦経験の少ない若手が追いつくのは並大抵のことではない。

他の選手に比べて、ギリギリ実力差で負けているのなら、選手の努力次第でどうにかなるのかもしれないが、3選手に関しては努力だけでは埋めることのできない、なかなか厳しい差が現状あると思う。

なので、実戦の場を得られる可能性を少しでも高めてあげるのもクラブの大事なタスクなのではと思う。

レンタル移籍をうまく使えない現状

将来を担う人材を育てたい。

でも、実力差があるため試合に使うのが厳しいというのはよくあることだと思う。

手っ取り早いのは、実力差の小さいクラブにレンタルで移籍させることだと思う。

今では磐田のストライカーとして最前線に立つ川又も新潟時代に愛媛(J2)にレンタルで移籍して実戦経験を積むと同時に結果を残し、新潟(当時J1)でスタメンになれる力を備えて戻った。

3選手がJ2(J3)のクラブに移籍すれば、即スタメンというほど甘い世界ではないが、少なくとも磐田よりは出場機会を得られるチャンスはある。

セレッソ大阪U-23を2年間見てきて思ったこと

U-23は育成の場として機能しているのか

とにかく若手には実戦経験をさせることが重要。

実際、選手側もそれを強く意識しているのか、カテゴリーやクラブの規模だけで入団先を選ばなくなってきている。

今の実力がどれくらいなのかを冷静に分析し、自分が成長するために適したクラブなのかを冷静に判断されてきている。

今後、磐田に有望な若手選手を連れてくるためにも、監督や所属選手の魅力以外にも、惹きとなる要素が必要となってくるのではと思う。

個人的には、獲得して即レンタルというのも全然あっていいと思う。

この方法は預ける側の評判がよくないとも聞くけど、選手のことをよく考えているなと個人的には思う。

雑感

J2(J3)クラブを下請けクラブのように思っているということは全然なく「お金がないけど、戦力となる選手がほしい」と思っているクラブと思惑が一致することで発生する移籍が起きてほしいなと。

有望な若手選手は、クラブにとって未来ですし、仮に活躍して海外やJの他クラブに引き抜かれたとしても、最初に加入したクラブにいずれは帰りたいと思っている選手は少なくないです。

選手を育てるというのは非常に難しいことですが、磐田に加入した選手全員が成長してプロの舞台で活躍してほしいと本気で思っているので、今回のような記事を書きました。

それでは。