フベロ監督解任と磐田

なんか個人的に今シーズンは終わったので、総括というかちょっと今感じていることを書いていこうかなと。 なんとなくインタビュー形式で書きます(気分)。 Q.フベロ監督の解任についてどう思われますか?
A.昇格という目標と現在の結果からすれば、解任が起きても不思議ではないと思っていたので、残念な気持ちにはなりましたが、驚きはなかったです。
Q.解任を支持しているということでしょうか?
A.それは違います。個人的には継続を望んでいました。先ほども言いましたが、結果だけで言えばクラブが望むものを達成しているとは言い難いです。ただ、磐田は昨年フベロが就任するまでと後ではスタイルが真逆なものになりました。今シーズンはコロナの影響もあり、試合を重ねながらチームの完成度を高めていくということが難しくなってしまいました。それでいて、J2はフベロ監督にとっては初めて挑戦する場でもあり、相手の分析、そしてトレーニングをまともにできる時間がなかったのは非常に痛手でした。 フベロ監督が有能であることは昨シーズン就任してからの仕事を見ていても明らかです。J1、J2ともに経験したというのはとても大きなことだと思います。個人的には、本来持っていた能力にこの経験が加わることで、来シーズンは素晴らしい成績を残せるのではと期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。
Q.後任が鈴木政一監督になったことに関してはどう思われますか?
A.コロナの影響もあり、国外から監督を連れてくることは現実的ではないので、暫定的な監督としてはこの人しかいないかなとは思います。
Q.”暫定的”という言葉を使いましたが、結果を残したら来シーズンも任せたいという気持ちはありますか?
A.それは個人的にはありません。私の中で彼はフロントの人間として採用されたのであって、現場の人間としてではないと考えています。今回はあくまで緊急事態だからだと思っています。
Q.10月4日の京都戦が初陣となりましたが、率直に試合を観てどう思われましたか?
A.フベロ監督のフットボールとの継続性はないんだと思いました。よく言えば選手を信頼して任せている、悪く言えば規律がなくなったフットボールに戻ったように観えました。戻ったと表現したのは、名波監督時代のスタイルに非常に似ていたからです。
Q.スタイルの変化をどう受け止めていますか?
A.個人的には非常に残念な気持ちになりました。あのスタイルでどういう結末を迎えたのか。あれからまだ1年も経っていません。あのままではダメだから、フベロ監督を連れてきて、J2でも継続したのだと思っていたのですが、どうやらクラブはそう考えてはいなかったようです。
Q.見方によっては、軌道修正し直したともできませんか?
A.それはあります。というか、確信を得たようにも感じました。大きくまとめたような言い方をしてしまいますが、欧州的に発展したフットボールを拒否したようには感じました。こういうのは我々の思うフットボールではない…みたいな。
Q.コーチとなった服部コーチに関してはどう思われますか?
A.コーチとしての指導力に関しては未知数なので、その部分に関してはわかりません。ただ、黄金期の監督、そして黄金期の選手がコーチとなり、その結果ピッチ上で起きたことが先ほど述べたようなことだったので、そういうことなんだろうなと。
Q.遠藤選手の獲得が決まりました。この獲得に関してはどう思われますか?
A.まず、単純に遠藤選手を選手としては評価すれば、彼は本当に素晴らしい選手です。パス能力は未だに日本人トップクラスですし、彼の存在がポジティブな影響を与えてくれるでしょう。 ただ、遠藤選手はボランチを主戦場とする選手です。つまり、クラブは今いるボランチの選手に満足していないということです。では、現状磐田はボランチの補強が必要だったのか?といえばYESとも言えるし、NOとも言えます。フベロ監督時代からボランチが盤石かといえばそうではなかったです。ただ、補強ポイントだったかと言えばそうではなかったです。明らかにSHやFWの部分での苦労の方が多かったですから。なので、補強できるのならした方がいいが、補強ポイントとしての優先順位は高くなかったと思います。
Q.遠藤選手の獲得はフベロ監督のときからクラブが提案していたという話があります。
A.これにはとても驚きました。なぜなら、フベロ監督がやりたいことに遠藤選手が適していないからです。フベロ監督はその提案を当然のことながら断ったようなのですが、この件が事実なら現場とフロントは全然理解し合っていなかったのだろうし、一枚岩ではなかったんだなと思いました。
Q.遠藤選手は経験豊富ですし、フベロ監督のスタイルへの対応もできるのでは?
A.やろうと思えばやれる選手だとは思いますが、やりたくはないだろうなと思います。遠藤選手は、中村俊輔選手に似ていて、状況に応じて自分が動き、ボールに関与することでゲームに関わろうとするタイプです。フベロ監督は、自由に動き回ることを好むタイプではありません。中村選手も磐田在籍時にボールに直接関与しなくても、オフザボールのところでの貢献度を増やすといった意味合いの発言をしていましたが、シーズンが始まればボールを受けるために動き回るということが増えました。遠藤選手もこうなる可能性は高かったです。しかし、これほど実績のある選手をベンチ、もしくはベンチ外にするというのは簡単ではありません。なので、フベロ監督の判断は、彼の立場からすれば当然のことでした。
Q.鈴木政一監督のスタイルには適応できるでしょうか?
A.適応できると思います。というよりも、磐田のスタイルに彼が適応するというよりも、彼のスタイルに磐田が適応していくという方が正しいかもしれません。
Q.監督交代、遠藤選手の獲得でチームは向上していくのでしょうか?
A.一時的に向上していく可能性は十分あると思います。ただ、繰り返しになりますが似たスタイルであった名波体制がどういう結末を迎えたかを考えると、あくまで一時的というのが私の考えです。
Q.最後に磐田に対して言いたいことは?
私は今回の一連の件で、クラブに対して非常に失望しています。フベロ監督を解任したことだけであれば受け入れられたのですが、遠藤選手の獲得の経緯、京都戦の中身を見たことで、残念ながら私の磐田を応援する気持ちは切れてしまいました。頑張っているクラブ関係者には申し訳ない気持ちにもなりますが、応援したいというモチベーションが今はありません。仮に京都戦のような戦い方こそが磐田本来のものであるとするのなら、そのことをそろそろ明確にクラブが打ち出してほしいなと個人的には思いました。
<おわり>