ゲームのコントロール

神戸vs清水2.jpg

ホームでの清水戦、サンペールを入れてからの神戸のゲーム展開は非常に興味深かった。

1-0でリードしている状態で、明らかにそのスコアのまま試合を締めようという意図があった。

結果的には同点になってしまったが、ちょっとアクシデント的なミスでもあったので、失点まではボールを保持しながらゲームをコントロールしていたと思う。

この試合を観ていて「あ~、Jリーグにもこういうチームが出てきたんだ」と少し考え深くもなった。

どちらかというとJリーグはオープンで殴り合うようなチームが多い(カウンター合戦)。あれはあれでスリリングで別に嫌いなわけではないが、疑問がないわけでもなかった。「なぜリードしているのに殴り合うのだろう?」という部分だ。1-0でリードしているのに追加点を積極的に狙うがために相手にもチャンスを与えてしまう。別に積極的に追加点を狙うスタイルは否定しない。しかし、あまりに多すぎるという部分に疑問があった。リージョはオープンな展開を嫌うらしい。その哲学が神戸に浸透しつつあるのは明らかだった。

たぶん、終了間際に失点したことで「追加点があれば…」「もっとセーフティにプレーしていれば…」とかいろいろな意見はあっただろう。しかし、追加点を狙うということは守備の部分である程度のリスクは発生する。たぶんリージョはそれを嫌っている。「リードしているのになんで失点するリスクを負う必要があるの?そのままゲームを終わらせれば勝ちじゃん。」という感じなのではないだろうか。

こういうゲーム展開にたぶん大部分のサポーターや視聴者は慣れていないと思う。Twitterなんかだとゲームコントロールの部分に称賛を送るような声もあったが、たぶんそういう見方をしているのはまだ少数派だろう。ただ、Jリーグで一番注目されていると思われる神戸がこういうサッカーをしているということが非常に重要だ。このスタイルが嫌いだろうと慣れていなかろうと、こういうスタイルがあるということを多くの人が知っていくことになる。それによって、他の試合を観ながら「なんで、こんな無理して追加点を狙うのだろう?」といった見方をする人が増えてくるかもしれない。

サッカー文化の向上という意味では、非常に有意義なことをしているなと思うのでした。

終わり。