プロになるための選択肢とプロになってからのキャリア

ユヴェントスユース.jpg ユベントスの育成部門ではどんなトレーニングをしているのか?
GV「現時点での段差は巨大なものです。育成年代では段階的に何年もかけて選手を育てているわけですが、トップチームではすぐに結果が求められ、それによって厳しく評価されるのですから」 SB 「問題は、その選手がいつトップチームでプレーする準備ができるのかを見極めることです。いくつかの調査研究によれば、プロ選手として成熟するためには100試合出場が一つのボーダーラインになるとされています。1年に25〜30試合プレーするとして4年かかる数字です。もしそうだとすれば、トップチームに上がった選手がプロとして完成されるのは19〜22歳の間だと考えなければなりません。今のイタリアでは、19歳の選手にすでに完成されていることが要求されてしまいます」
── ユベントスにおいてもエスパニョールと同じような目標を設定することになるのでしょうか? トップチームが「カンテラーノ」たちで構成されることを目指すような? SB 「それはあり得ません。私たちの仕事の成果は、5大リーグでプレーする選手をどれだけ輩出できるかで評価されることになるでしょう。ユベントスでレギュラーとしてプレーする選手のレベルは、少なくとも現時点では、育成部門の選手たちに到達することを要求するにはあまりに高過ぎます。もちろん一つの刺激としては機能するでしょうが……。ユベントスほどのレベルにないクラブが、トップチームにできる限り多くの選手を送り込むことを目標とするのは、スポーツ的な観点からだけではなく経済的な観点から見ても正しい選択だと思います」
かなり読み応えのあるインタビュー記事だった。 10代にしてトップレベルで活躍できる選手が登場したことで、トップに上がれば誰もがすぐに目先の結果を求められることになってしまったと。プロだから、年齢関係なく評価をされるのは仕方ない面もあるが、トップに上がったばかりの10代の選手とプロを数年経験している23歳以降の選手を同じ土俵で評価していいのかは難しい問題だ。 また、ビッグクラブの現実的な問題として、トップチームのレベルが高すぎて、下部組織出身の選手の活躍超難しい問題についても語っていた。 カンテラーノだけでチームを構成するのはユヴェントスとしては非現実的な話。経済的な観点からもユヴェントスは育成の部分に頼らないといけないような状況ではなく、外から選手を連れてくることが少なくない。この記事には書かれていなかったが、たぶんユヴェントスの下部組織は、他クラブでも通用する選手の育成(トップに上がること以外でのプロの道)だったり、社会的に通用する人材育成(他ジャンルで通用する人材育成)が主な目的なのではと推測。 Jリーグレベルでも下部組織からトップチームで通用する人材を育成するというのは難しいミッションだし、トップ昇格というのも毎年1人出るかどうかもわからない。 選択肢を増やすための当たり前の行動 プロの世界で活躍するためのルートも増えてきているので、日本でも選手側の選択肢が増えていくことが健全なのかと思うのでした。 終わり。