尖ったものよりも普遍的なものを

イニエスタ.jpg 育成年代で「普遍的な戦術」を教えなければ、新しい環境に順応できなくなる
今一緒に戦っている選手たちは、プレーの幅というか深さ、引き出しが少ないなと感じます。この状況ではここにサポート、でも状況によってはプレーを変えるよね。と、いうような状況に合ったプレーの選択です。今、カタルーニャのサッカー理論だと攻撃は『深さ』と『幅』と『マークを外す動き』。守備では『マーキング』と『カバーリング』と『ペルムータ(入替・交換)』。これはどこに行っても使える個人戦術なんですよ。この基礎的な部分をきちんと習得したうえでプレーモデルに入っていくのと、これをやらずに個人のタスクだけを追求してずっとやっていくのでは、将来プレーの幅が大きく変わってきてしまうんですよね。
欧州クラブのチームモデル: アカデミー編
(まずですが、エコノメソッドは何にフォーカスを当てたトレーニングなんですか?)エコノメソッドはフットボールをプレーする上で誰もがしている認知→判断→実行という3つのステップの『認知』に焦点を当てたトレーニング方法です。我々は認知をさらに深く、何を?いつ?どうやって?といったことを理解するためにエコノメソッドを使っています。そして、その何を?に関していうと、ゲームモデルよりも上の階層に位置しているGame Fundamentalsのことを指しています。(ゲームモデルよりも上の階層とは?)ゲームモデルは監督のフットボールのアイデアであり、非常に主観的な階層です。ロングボールであれ、ショートパススタイルであれ、どうやってボールを前進することができるかということは監督のアイデアによって決まります。全ての人間に共通する原則が存在しません。ゲームモデルが変われば原則も変わります。しかし、エコノメソッドは、ゲームモデルではなく、フットボールをプレーする全ての人間に共通するフットボールというゲームの特性を選手に理解させることが目的です。我々はGame Fundamentalsと呼んでいますが、呼び名は問題ではありません。フットボールの中には人間がボールを前に運びやすい状況、運びにくい状況が存在します。そしてこれは全ての人間に当てはまることだと考えています。
ジュニアユースやユース年代のチームの監督をしていたら、どういう選手だったらチームに欲しいと思うだろう? 足が速い選手?ドリブルが得意な選手?身長の高い選手?パスが上手い選手?ディフェンスが上手い選手? それはポジションやチーム方針や状況にもよって違ってくるとは思うが、普遍的に変わらないものを身につけている選手は魅力的に感じるとは思う。 普遍的に変わらないものを身につけている選手は目立つだろうか?たぶん、わかりやすい特徴がない限りは、誰にでもわかるような目立ち方はしないと思う。観る人が観ればわかるような存在だと思う。 たぶん、普遍的なものを身につけている選手はミスが少ない。ミスといっても、技術的なミスは人によって差はあるが、判断のミスは少ないだろう。 当たり前のことを当たり前としてみんなが身につけれるようになれば、さらに上のステージを狙いにいけそうだなと思うのでした。 終わり。