今日の記事

日本男子メダル届かず…MF田中碧「サッカーを知らなすぎる」
特に「遠い」と感じたのは試合中に、選手が意識しているポイントだという。日本は「デュエル」(球際、1対1で負けない)が比較的新しい言葉でことさらに求めあうが、すでにスペイン、メキシコは「デュエルだの戦うだのは彼らは通り過ぎている。チーム一体となってどうやって動いて、勝つかに変わってきている」(田中)と感じたという。  「個人個人でみれば別にやられるシーンというのはない。でも、2対2や3対3になるときに相手はパワーアップする。でも、自分たちは変わらない。コンビネーションという一言で終わるのか、文化なのかそれはわからないが、やっぱりサッカーを知らなすぎるというか。僕らが。彼らはサッカーを知っているけど、僕らは1対1をし続けている。そこが大きな差なのかな」  田中は五輪を戦った日本で評価される1人に数えられる。ただ、プレーした本人はメキシコ戦後、手ごたえどころか、危機感を口にした。「国際大会で突きつけられるものに圧倒的な差があった。やるしかないが、どうにかしてこの差を埋めていかないと。自分たちが思っている以上に彼らは成長している。スピードという意味では差が縮まらない」と話した。
無念の敗戦で世界との差を感じた田中碧。独特の表現で敵の実力を認める「彼らはサッカーをしているけど…」【東京五輪】
「このメンバーでの最後の試合ということで、やっぱり勝って終わりたかったですし、メダルも取りたかった。ただ、本気の世界に突き詰められた。練習試合とかで色んな海外チームとはやりましたけど、結局練習試合ですし。もっと敵との差があるというか、どうにかしてこの差を埋めていかないといけないかなと思いました」
「今までJリーグでやってきて、自分自身もすごく成長したと感じていたけど、結局それが何ひとつ通用しないし、まだまだ足りない。もっともっとサッカーを知って、彼らについていかないといけない」  さらに、田中は体感した世界との差について、「彼らはサッカーをしているけど、僕らは1対1をし続けている」と表現。いまだ手の届きそうで届かない格上の存在を、そう評した。
世界では「自分たちのサッカーが選べない」。U-24日本代表MF田中碧が東京オリンピックで実感した“11人対11人”で勝つという意味
Jリーグでやって来て優勝もしたし、自分自身もすごく成長したなと感じていたけれど、それが何一つ通用しなかった。練習試合とは違う本気の世界。それを初めて経験して、圧倒的な差を突き付けられた。自分は日本でしか通用しない選手なんだ。まだまだ足りないなと感じた」
「世界を相手にしたとき、自分たちのサッカーが選べないというか、同じステージで戦えない歯がゆさというのはこの試合でも、前回の試合でも感じていた」と切り出した田中は、こう続ける。 「ここ4、5年、個人個人が成長する重要性が言われて、強度だったりインテンシティだったりデュエルだったりという言葉が言われるようになり、各々が意識してやっていたし、その結果個人は凄い強くなったと思う。でも1対1では勝てるかもしれないけど、11対11で勝てるかと言われたら、この2試合含めて完敗だと思う」  グループステージでの対戦時は、試合開始早々に久保建英の一発から日本が試合の主導権を握れる展開だった。ただ、個人がそれぞれ単発で仕掛けて潰されるという場面も目立っていたが、それでもなお“個の突破頼み”になってしまっていたのは否めない。田中はそこに差を感じているようだった。「彼ら(の個人での仕掛け)に助けられた部分は間違いなくあって、ダメなわけではない」と言いつつ、こうも語る。 「2対2だったり3対3だったりになったときに相手はパワーアップするけれど、自分たちは何も変わらない。それがコンビネーションという一言で終わるのか、文化なのか分からないですけれど、サッカーを知らなすぎるというか……。彼らはサッカーをしているけれど、僕らは1対1をし続けているように感じるし、それが大きな差になっているのかなと感じている」  田中にとって、初めての世界大会で感じた明瞭な「差」は、「チームとしてどうやって戦い、そして勝つのか」という試合の大局観の部分にあったのだろう。
「結局、今大会で点を取っている選手も、最後守っている選手も海外でやっている選手たちばかり。自信を持ってJリーグでやってきたし、いろんな世界の国とやりながら世界を意識してきたけれど、やっぱり違うなと感じた。もちろん自分がやってきたことに後悔していることはないけれど、それ以上に彼らは成長しているし、圧倒的な差があるというのをすごく感じている。僕自身もすべてを伸ばさなければいけない。チームとしてどうやっていくのかもそうですし、限られた時間であっても、それを作っていかないことには彼らと対等に戦えない」
<おわり>