福西崇史・田中誠・大井健太郎・山田大記 戦術について語る

【GW企画・オンライン座談会】"ジュビロ磐田"現役・OB混合サッカー座談会!(福西崇史・田中誠・大井健太郎・山田大記)

※・動画内で、文脈に影響しないと判断した部分(主に相槌)は省いています。

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(書き起こし部分:22:54~29:44)

(福西)だけど、アジウソン、なんか監督になってからめちゃ言うようになったじゃん。

(誠)ああ、いろいろねぇ、何か細かいこと言ってたからねぇ。

 アジウソン監督のときはさぁ、パソコンでいろいろやってたじゃん。ミーティングとかで。こう、とーんとーんとーんってさぁ、パスを繋いでゴールっていう感じでさぁ。

(福西)こういうフォーメーションに11人が並んでて、なんかこういう風に。で、ボールがここにいったら、みんなはこう行くんですよみたいなシステムがあんのよ、こうやって。だから、そういう風に動いてくださいみたいに言うから。

(誠)でそれで、うまくコンピューターだと、ボールがポーンポーンポーンつってゴールにいくわけよ。

(福西)俺アジウソンとマジ喧嘩したよ、喧嘩したよっていうか言い合ったよ。お前選手のとき、お前って言い方はあれだけど、選手のときにあれだけ自由好き勝手してるのに、なんで監督になったらそんな決めつけてやるのって話。

健太郎)外国人監督多くないですか?

(福西)多い。

(誠)自分の言う通りにこう動くっていうのがね。

(福西)でも、それはそれでねぇ今思えば、やり方の1つだと思うし。

健太郎)そう思います、確かに。

(福西)やりやすいって思うかもしんないけど、そういうやり方を俺らはしてきてなかったじゃない?ずーっと強いチームからも含めて。

 だから、このままでっていうので、俺ちょうど2007年に移籍したのはそれだから。それ(理由)だけじゃないけど、それは結構な要因だったから。

 リアクションサッカーをしようっていう、相手がこう来たときに自分たちはこうしましょうみたいな感じだったじゃん。それで、ちょっとねぇ、俺生きるとこじゃねぇな。

(誠)自由さが奪われちゃったからねぇ、選手たちは自由に今までやっていたのが。ちょっと違うんじゃないのって選手たちが考えながらやっていた部分はあったよねぇ。

(福西)それがやっぱ中盤の選手はちょっと多かったからねぇ。

(誠)今とかはねぇ、大記とかもやっぱり監督に変わればさぁ、選手とこうやっていると思うでしょ、いろいろと。

(大記)そうですねぇ。違いますもんね、監督によっていろいろと。

(誠)まぁ、選手はねぇ監督の言う通りにしないとなかなかねぇ。試合に出れないのもあるし。

大記がドイツで経験した戦術体験

(福西)大記は外国でさぁ、カールスルーエだっけ?外国の選手とか監督とかやってきたでしょ?そうしたら、どうだろう、そんな考えの人が多いとか、こういう観方が日本人と違うとか。

(大記)いや、なんか俺行ってびっくりしたのが、さっきマコさんが言ったみたいにパソコンとかでなんかこーなってこーなってみたいな、こうやっていったらゴール獲れるからみたいな。ドイツ行ってすぐこう監督が説明して、俺も全く同じように「そんなん言ったって、試合になったら全然違うし」とか思ってたら、結構そのまんまの形で点獲れたり、守備ハメれたりして。

 やっぱなんか戦術、特に2部なんでスタープレイヤーとか全然いないし、みんながほんとしっかりチームの戦術をちゃんとやるって選手が多かったんで。あの僕らのチームに限らず、リーグとしてたぶん結構そういう感じで。だから、相手もこう忠実に戦術を実行してくるんで、こっちもそれをしっかり対策して、こうやってやるぞというのを明確にプラン持ってやると結構そのまんまこうゲームプラン通り試合勝てたりして。なんかそういう面白さは、あんまり日本では経験したことがなかったんで。

 そのときは結構クラブ、僕がいたカールスルーエも良くて、1部上がれるかどうかの入れ替え戦ぐらいまでいけて。結果ダメだったんですけど、良いシーズンだったんすよ。

 だから、本当に監督の戦術がこう面白いようにハマって、こう試合にも勝てて、ていうのをこうサッカー人生の中でも、あそこのタイミングぐらいしかあんなにこう思い通りみたいのはなかったんで。そういうのってあるんだなって思いましたね。

試合における戦術の成功体験

(福西)それってやっぱ選手にもよるのかな?

(大記)かなり、かなり、そうすねぇ選手によると思います。その監督が日本来て、いきなりこう縛ってやるぞって言われても絶対無理だと思うんすけど。

(福西)でも、日本人って結構真面目だから、それやろーって言ってやれるじゃん。まぁ、俺らんときは、自由が最初に、自由で育ったきちゃったから、最初戸惑ったけど、やっぱ今の子たちってすごい真面目やから、そういうのは当てハメやすい気はするけどね。

(大記)そうすねぇ。なんか日本人の方が真面目で、言われたことをやるって言うじゃないですか。でも、なんか日本人ってそうやってあんまりこう戦術通りいって、試合勝てたとか、こう意識的にその状況を作り出せっていう、こう経験あんましてない気がして。外国人意外とちっちゃい頃から戦術とかやってるから。なんかそこはちょっとあるかもなって思いました。

 日本人真面目は真面目だけど、たぶん根底には言われたからやんなきゃってのがありながら、まぁやってもそんな思い通りいかないっしょって思いながらやってるんすけど。外国人は、その成功体験持ってるんで。なんか言われたことこうやってれば、あー確かにいけそうだなって感じでみんなやるんで。

 日本人より、よっぽど戦術しっかりみんなやる選手多かったですね。

(福西)戦術の選択肢は持ってるかもしんないねぇ。外国って子供の頃から戦術教えるじゃん。やっぱ、これは大きいことなのかなぁって。

 あれ見てると自由にやらしておいて戦術にハメていくみたいな日本のやり方の逆バージョンでもあるわけじゃない。選択肢を持ってくってのはいいかなって思うようになってきたね。

(誠)戦術理解度が日本人は結構教わるのが年いってからだけど、外国は結構下の年代からねぇ、そういうのを少しずつ教えて、そっからまた洗練されてくってパターンなんだろうねぇ。

 だから、あーいうヨーロッパのサッカー先進国は、当然技術もねぇ凄いけど、そういう戦術的なところもねぇ、やっぱり理解しながらやってんのかなぁってのは思うねぇ。

 日本も少しずつねぇ、そういのも理解させながらちっちゃい頃からねぇ、難しいんだけどねぇ。フクも経験していると思うんだけど。

(福西)難しいね。そういう文化になっていくというか、そういうのが増えてくればさぁ指導者に。そういう可能性も増えてくるとは思うけどねぇ。

 でもなぁ、もうちっちゃい頃からやってないとっていうのは大きいじゃない。テクニックにしても。

<書き起こしおわり>