松本山雅の降格と名波監督続投

11/28に行われたJ2第41節をもって、松本山雅(以下松本)の降格が決まりました。2019年にJ1で戦っていたクラブが、3年後はJ3で戦うという事実はなかなか怖いものがあります。

さて、松本の監督をしていたのはジュビロ磐田のレジェンドである名波浩です。

2019年のシーズン途中に当時監督をしていた磐田を逃げるように”辞任”して以来の監督就任です。ここまでの間にJリーグのクラブに指導者の勉強に行ったという記事は何度か見ましたが、どこかでガッツリと監督なりコーチをしていたわけではなさそうで、果たして監督としてアップデートしてきたのかというの確認するために試合を何度かチェックしました。

私の感想としては、大きく変わったということは特になく、42節終了時点で、21試合3勝5分13敗という成績はそれほど驚きではないかなと思いました。

松本サポの感想を覗いていると「そもそも編成面で失敗していた」とか「誰が監督をやっても厳しいチーム状況だった」といったことを書かれていたので、名波監督が降格の原因だと思っているのはそこまで多くないのかもしれないと思いました(どちらかというと他サポの方が辛辣)。

”試合の中身”と”成績”からすればとてもじゃないけど続投は考えにくいと思いました。

しかし、降格が決まった後すぐにクラブが続投を要請したとのニュースが流れてきました。

【速報】松本山雅が名波監督に続投要請

サッカーJ2松本山雅運営会社の神田文之社長は28日、J3で戦う来季も名波浩監督(49)に続投要請したと明らかにした。降格が決まった相模原戦後の取材に「攻撃的なスタイルを示してくれている」と語り、早い段階で本人の意向を確認し、正式決定したい考えを示した。

「攻撃的なスタイルを示してくれている」という評価が非常に不安になるが、それでも続投をしたいというクラブの判断がおかしいかといえばそうは思わない。

先ほども書きましたが、”試合の中身”と”成績”だけで判断すれば理解し難いものであるが、他の部分を考慮すると理解できるものになってくる。

1、お金の問題

元千葉ロッテ社長・山室晋也が進める清水エスパルスの改革

昇格降格制度の影響は大きいですね。特に降格は経営環境をガラッと変えてしまう死活問題です。残留争いの最終局面では、何よりも強化費を拡大して結果に繋げる必要があるので、非常に難しい企業経営を強いられます。

降格することは死活問題とまで言っています。

J3に降格することで、クラブの強化費は落ちるはずです。スポンサーも継続をやめたり、継続にしても減額を提示することは想像できます。

名波さんはネームバリューがあり、更に話が大変うまいため、スポンサーへの影響は小さくないと思います。スポンサーは結果も注視しているとは思いますが、それだけのためにスポンサーをやっていないはずです。スポンサーをやりたいと思わせる力が名波さんにはあると思います。

2、選手編成

資金力があるとは言えない磐田で、俊輔であったり、他クラブと競合になりながらも選手を獲得したことがありました。

名波さんがいるから来たと言う選手もいました。名波さんはこの監督の下でプレーをしたいと思わせる力があります。

来シーズンはJ3であることから、普通であれば抜ける選手も少なくないと思います。松本に来た選手は、J3に降格するようなクラブだと思って来ていないはずなので、オファーがあれば移籍しようと考える選手がいても不思議ではありません。

しかし、名波さんが続投すればそういった選手を慰留させることや、J3に来ないような選手を獲得できる可能性があると思います。

ざっくりとこの2つの理由で続投要請は理解できるものだと私は思っています。

戦術でチームを勝たせるタイプではないので、続投が正式に決まったら、クラブがやらないといけないのは戦力をJ3で頭1つ(できれば2つ)抜けたものにできるかだと思います。

J3も甘いリーグではないようなので、もし続投が決まったら、ちょこちょこチェックしたいなと思います。

<おわり>