ジュビロ磐田のルヴァンカップと天皇杯の初戦敗退

ルヴァンカップで早々に敗退してしまった磐田でしたが、天皇杯も磐田にとっての初戦となった宮崎戦に負けてしまいました。

いわゆるジャイアントキリングというものが起きてしまいました。

もちろん結果を知った直後は「何してんねん」という気持ちになりましたが、まぁいろいろ思うことがあったので、ブログに残しておこうかと思います。

 

 

ルヴァンカップの大会形式の変化による影響

昨シーズンまでJ1クラブ+前年J2降格クラブでグループステージからスタートしていたルヴァンカップ

グループステージはリーグ戦だったので、結果に関わらず6試合は確保されていました。

ルヴァンカップはどちらかというとレギュラー格でない選手が出ることが多く、そういった選手のアピールと成長の場になっていました。

昨シーズンの磐田も、ルヴァンカップでアピールして、リーグ戦に絡んでくるということが少なくありませんでした。

しかし、今シーズンから一発勝負になったため、勝たないと試合数を確保できない状況になりました。

大会を盛り上げるという意味合いではこの大会形式の変更は個人的にそこまでネガティブに思っていなかったのですが、6試合もあった”公式戦”がなくなった影響の大きさは想像以上だったと感じています。

磐田以外もジャイアントキリングが起きていたり、非常に苦戦しているJ1クラブが出ているのは、控え組による試合数の激減が大きく影響しているのではと感じずにはいられませんでした。

 

CBとFWの選手層の薄さ

大会形式の変更が早期の敗退に影響しているのではということは上記に書きましたが、とはいえ当然それだけが理由ではないです。

これはリーグ戦にも影響が出ていることですが、CBとFWの選手層はやや心もとないです。

全員が絶対に怪我しないのなら今の編成でもダメではないのですが、怪我人が出ないという可能性は極めて低いです。

CBは、本職が5人(リカルド・グラッサ、伊藤槙人、鈴木海音、森岡陸、朴勢己)。

朴が高卒1年目のため、実質計算できるのは4人。

それでいて、鈴木海音は五輪に呼ばれて抜ける時期がある可能性が高いこと、森岡陸は怪我が多いことを考えるとかなりリスクのある編成であることを開幕前からわかっていたことでした。

さらに今シーズンは伊藤槙人のコンディションがなかなか上がらず、怪我なく稼働できているのはリカルド・グラッサと鈴木海音のみです。

そのため鹿沼をCBとして起用せざるを得ないときがあり、地上戦であればある程度戦えますが、空中戦であったりラインコントロールとなるとCBとしては本職と比べるとやはり厳しく感じました。

これは鹿沼どうこうというより、こういう起用法しないといけない編成をしてしまったクラブ全体の問題かと思います。

FWもジャーメインとペイショットが揃っているときはいいですが、どちらが欠けると途端にパワーを失ってしまいます。

ジャーメインの活躍が想定以上だった可能性はありますが、その分空いた穴の大きさも想定以上でした。

石田はなかなかコンディションが上がってこず、宮崎戦のウェベルトンの起用法からしても、前線の中央の選手層はCBと同様に薄いと思います。

おそらく夏に補強に動くポジションなんじゃないかと思います。

 

横内監督の選手選考の納得性

昨シーズンから横内監督の手腕を見ていて、個人的に凄いと思うのは選手選考の平等さです。

横内監督の中には明確に基準があり、それをクリアされていないと基本的にレギュラーになれない印象があります。

今シーズンもレギュラーの選手が出れないときに他の選手が出て、明らかにチームとしてのパフォーマンスが下がっているのを感じたりし、選手選考の納得性を感じることがありました(平川、松本、植村あたり)。

良いと判断すれば即抜擢する面もあるので(昨シーズンだと藤原、今シーズンだと長崎戦後の鹿沼)、選手からすると競争の平等性も感じれるタイプの監督かと思います。

そんなタイプの監督だからこそ、今回の結果で「君たちがリーグ戦に絡めない理由わかったよね?」という厳しい現実を突き付けられたような感じがしました。

 

雑感

リーグ戦の控え組+ベンチ外のメンバーが主体だったとはいえ、カテゴリーが2つも下がるチームに負けていいのかというとそうではないと思います。

しかし、それと同時に試合出場が極端に少ないメンバーも少なくなく、そこを考慮せずにこの敗退を語るのもなんか違うかなと思いました。

ただ、そんな選手たちのことを考慮しながらも、クラブが中期的に立てている目標を考えると今シーズンは残留がマストであるのも現実としてあります。

もう少しでシーズンが半分終わるという中で、レギュラー格を脅かす選手が少ないという状況を指をくわえて眺めていける余裕があるのかというとないと思います。

厳しいですが、ルヴァンカップの敗退、そして天皇杯の敗退はクラブが夏に補強を決断することを後押ししてしまったと思います。

今シーズンはリーグ戦のみになってしまったので、補強があると想定すると、主に期限付き移籍でアウトになる選手が少なからず出てくるかもしれません。

個人的な心情としては、今シーズンのスタートからいる選手全員で目標を達成したいと思いますが、そうもいかなそうなのが現実であり、プロの世界の厳しさなのかなと思いました。

 

<おわり>